松任谷由実 / 荒井由実
2020年のコロナ禍を踏まえて制作されたアルバムで、100年前のスペインかぜを取り扱った「1920」や、ノートルダム大聖堂の火災を取り扱った「ノートルダム」、別離を描いた「離れる日が来るなんて」、それでも人は会いたい想いを全面に出す「雪の道しるべ」「…
タイトルは「これまでの記憶が全て図書館のようにしまわれておりそれが今の自分に繋がっている」という想いを表したもののようで、過去から度々出てくるスピリチュアルな側面が出たアルバムとなっている。確かに、もう会えない人を歌った表題曲や会いたい想…
「Babies are popstars」「雨に願いを」「シャンソン」等の要所要所の楽曲がストリングスを活用したクラシカルな楽曲になっているために劇伴・舞台音楽集のような印象を受ける。またここ最近は落ち着きを感じるアルバムが多かったが「Babies are popstars」…
タイトルの通りここ最近のシンプルな作風に比べるとやや情景描写多めの絵画的な歌詞が多いアルバムで、80年代後半以降は抽象的な歌詞が主体となっていたこともありこういう感覚は「ALARM à la mode」以来かもしれない。ただ80年代に戻っただけではなく「バト…
ここ数作あったような季節感は特にない、後の大ヒットベストアルバム「日本の恋と、ユーミンと。」への収録曲がない、ファンの間でも共通と思われる名曲はない(「人魚姫の夢」は紛れもなく名曲だと思うけど)、収録曲数は従来のデフォルトの10曲……といった感…
前作に引き続き夏を感じられるアルバムで、夏や海をテーマにした楽曲が半分近くを占めている。ただ前作よりもメロが格段に印象に残り、良い意味での落ち着きと貫禄が出ている。80年代あたりは楽曲そのものは凄かったとはいえ背伸びしたものが多かったし、00…
前作の冬を感じるアルバムと対照的に今度は全体的に夏を感じるアルバム。とはいえギラギラとした暑い夏というよりは爽やかな夏といった趣で、このあたりは夏の感傷をテーマにした名曲が数多くあるユーミンだからこそだろうか。そういうこともあり、前作に引…
リゾート路線の代表格である「SURF & SNOW」のVol.2という触れ込みで制作された作品。ただし内容としては全くの別物で、冬の景色をしっとりと表現したアルバムとなっている(夏の曲もないこともないが全体的には冬の印象が強い)。むしろ全体的にしっとりとし…
1982年の「PEARL PIERCE」以来19年ぶりとなる夏発売、これまでほとんどのアルバムが10曲(一部9曲・11曲)だったのが突然14曲になる等トピックの多いアルバムではあるが、内容としては前作「Frozen Roses」の延長線上で多彩なアレンジが楽しめる。前作は普通の…
ベストを挟んで2年ぶりになったオリジナルアルバム。これまで基本年1(かそれ以上)のペースでアルバムをリリースし続けていったが、ここからはスローペースになっていく。 同年に実施されたサーカス団(?)とコラボしたド派手なコンサート「YUMING SPECTACLE S…
やや迷走気味に感じられた前作が嘘のように全曲安心安定ユーミン節のミディアム系で占められたアルバム。やや地味に感じられる側面はあるんだけど、ここまでの統一感および安心感はここ数作ほぼなく、それこそ「PEARL PIERCE」くらいまで遡るんじゃないだろ…
LAのミュージシャンによる生のバンドサウンドやストリングスを多用したアルバムで、既にシングルで出ていた「まちぶせ」(言わずと知れた石川ひとみさんのヒット曲のセルフカバー)も生のドラムに差し替えになっている。ここ数作は生音に戻ってきていたとはい…
これまでも度々出てきたワールドミュージック色が全面に出たアルバム。ネパールの首都を意味するタイトル曲やアンデス風味の「Take me home」、インドっぽさが漂う「命の花」、ヨーロピアンな香り漂う「輪舞曲」、和風全開な「Weaver of Love」等が特にその…
「Hello, my friend」「春よ、来い」のミリオンヒットシングルを収録したユーミン史上最大のセールスを記録したアルバム。ここ数作はセールス的にも内容的にも少々落ち着き気味であったところ(それでもずっと100万は売ってるから凄い)、「天国のドア」以来久…
ミリオンを記録した大ヒットシングル「真夏の夜の夢」を収録したアルバム。シングルで出ていてかつ現在でもユーミンを代表する1曲ということもあって「真夏の夜の夢」の印象が強すぎる感はあるが、それを除けば前作「TEARS AND REASONS」に引き続き、気持ち…
「天国のドア」以降どんどん脱バブルしていって全体的な雰囲気はバブル以前に戻った。デビュー以来どんどん時代の先を突き進んでいったユーミンが進化を止めたとも取れるが、デビューから20年経過し、もう相当数の名曲佳曲を残した状態なのでこれが自然な流…
前作「天国のドア」に引き続き脱バブル進行中といったイメージのアルバムで、それでも前作はSynclavierの多用は相変わらずだったが、今作に関しては明確に生音も増えてきている。また、打ち込みの曲に関しても「Happy Birthday to You」や「千一夜物語」のよ…
約200万枚という当時の日本のアルバム史上最高売上を更新する大ヒットとなり、1990年にして来るCDバブルの幕開けとなった1作。あまりに凄まじいことになった売上や当時の無敵感からかどうにも「Delight Slight Light KISS」あたりから音楽が二の次になった印…
前作に引き続きシンプルな詞と表層の良さを抽出したようなメロとSynclavierによるドッカンバッコンしたアレンジが全編支配するアルバム。アルバムとしての印象も前作と全く変わらず、いい感じに作り込まれてはいるんだけどこの息苦しさはやはりバブルっぽく…
前作に引き続きSynclavierを多用したアルバム。そんなわけでサウンドの質感は全く変わらないんだけど、メロや歌詞がそれまでと結構雰囲気が異なり、メロは以前のようなドキャッチーさやポップさはあまり見えずオケに埋もれている印象で、歌詞も比較的シンプ…
徐々に打ち込みの割合が増えていたがここでSynclavierという今でいうDAWに近いものが導入され、一気に打ち込み全開の音色になった。Synclavierは全体的に固い音が特徴的で、特にドラム系の音色にその個性が出まくっている。機械的なドラムの音色とユーミンの…
夫妻の結婚10周年の日に発売されたアルバム。ここ数作ほど2-3曲はベスト収録常連になるような有名曲があったが、今作は有名曲が一切ない。確かにここ数作にあったような大名曲はないかもしれないがどれもポップでキャッチーな佳曲揃いといった印象で、1曲も…
タイトルが示す通り特にテーマらしいテーマはないようであるが、要所で「もう愛は始まらない」「たとえあなたが去って行っても」のような強めのバンドサウンドや歌詞があるため強い女性像みたいなのを印象付けられる。とはいえそれ以外は通常営業の楽曲が並…
前作に引き続き絶好調を維持といった感じの高品質ポップス集。「REINCARNATION」同様にアップテンポとバラードのバランスが非常に良く、最後まで聴いてて飽きない。というかもうここらへんの時期はどれもアベレージ高くて書くことないんだけど、このアベレー…
タイトルから連想される通り航海や宇宙がテーマのアルバム。以前より海をテーマにした名曲が多かったこともあり、今作も大海を思わせる「青い船で」「TROPIC OF CAPRICORN」のような曲はあるが、直接関係ないような曲も多くあり、ユーミン節炸裂の名曲「ダン…
タイトル通り輪廻転生がテーマ。とはいえ実際にそのようなテーマに近い曲はタイトル曲を除くと同じく超常現象が歌われる「ESPER」と時の移り変わりを表現した「経る時」くらいで、それ以外は前作のようなF1層に向けた曲や、シティポップ風味、はたまた荒井時…
前作に続いて超オシャレなシティポップ路線。前作は安定感はありつつも少々シックな部分もあったけどこのアルバムは「都会のOL」がテーマとのことで、後のOL路線の先取りになったこともあり大分聞きやすくなったように思える。第二次ブームを迎えた1981年~S…
松任谷姓になってからしばらくシングルヒットがなくアルバムの内容も試行錯誤が続いたが、「守ってあげたい」が大ヒットしたことで自信を取り戻したのか、安心安定シティポップ路線が全面に押し出されている。全体に漂うアーバンな雰囲気は松任谷姓になって…
アジアをテーマにした企画盤で、当時は12インチEPで発売された。企画盤という扱いではあるが、独特の美メロと絵画的な歌詞は荒井時代にも見られる雰囲気で(「HONG KONG NIGHT SIGHT」は正隆さんの曲のカバーらしいけどアルバムの中で全く違和感なく溶け込ん…
前作の最も暗いアルバムから一転して最も明るいアルバム。「COBALT HOUR」や「流線形 '80」にあったリゾートミュージック路線を思いっきり推し進めており、当時はそこまで売れたわけでもないようだが、後に映画等に楽曲が使用されたことで知名度を上げ、特に…