SURF & SNOW / 松任谷由実

前作の最も暗いアルバムから一転して最も明るいアルバム。「COBALT HOUR」や「流線形 '80」にあったリゾートミュージック路線を思いっきり推し進めており、当時はそこまで売れたわけでもないようだが、後に映画等に楽曲が使用されたことで知名度を上げ、特に「恋人がサンタクロース」はクリスマスを性交祭りにした元凶として(?)後世に残る代表曲の1つになった。また、この時期より同名の公演を苗場と湘南で開催(苗場は2021年現在も継続)していたり、アルバムタイトルにはなっていないがジャケットに思いっきり「SURF & SNOW・VOLUME ONE」と記載されていることもあり2002年の「Wings of Winter, Shades of Summer」、2020年の「深海の街」をSURF & SNOWのVOL.2という触れ込みで制作を開始したり等、リスナーだけではなく制作サイドにも多大な影響を与えた。

そんなわけでユーミンの代表作の1つではあるが、1980年代の理想の若者像を封じ込めたアルバムを2020年代にもなって異常独身男性(笑)が聴くのはあまりにキツく、アルバムトータルでまともに聴くことができなかった数少ないユーミン作品の1つ。特に「彼から手をひいて」とか「ワゴンに乗ってでかけよう」とか「サーフ天国、スキー天国」とかは正直聴いてて相当に恥ずかしい(笑)。1曲1曲の完成度は相変わらず高いのでリアルタイムで聴いていたらもっと違う感想になっていると思う。それにしても人がバタバタ死んでた前作の次がこれってこの人一体何者なんだ(笑)。

おすすめ曲

恋人がサンタクロース

というわけであまりにベタだけどこれ。ユーミンならずとも日本のポップスを代表する曲の1つで、楽曲的にはサビ後半の特徴的なコードがインパクト。これ正隆さんは転調してるとか言ってたけど使用している音域が変わらないので個人的にはそう聴こえなかったりする。