PEARL PIERCE / 松任谷由実

前作に続いて超オシャレなシティポップ路線。前作は安定感はありつつも少々シックな部分もあったけどこのアルバムは「都会のOL」がテーマとのことで、後のOL路線の先取りになったこともあり大分聞きやすくなったように思える。第二次ブームを迎えた1981年~Synclavier導入によりガラッと音が変化した1987年の間でサウンドの統一感がある唯一といってもいいアルバムということもあり、アルバムトータルでの満足度が高い1枚。

おすすめ曲

全部一定以上にいいけど突出した名曲があまりないので何にするか迷う。ベスト常連曲なので必然的に印象に残っている曲(「真珠のピアス」「DANG DANG」)以外で印象的なのはこの2曲。

ランチタイムが終わる頃

都会のOLがランチタイムに「あなた」との出会いを楽しみにする曲で、性別対象外ではあるけどイメージのしやすいシチュエーションということもあり絵画的な歌詞が見事に効いている。パッと聞きの印象はシンプルながらも凝っているメロやアレンジも好印象。

夕涼み

全体的に統一感があり横一線な印象のアルバムの中で一際光っている曲。以前も夏の終わりを表現した「晩夏(ひとりの季節)」という大名曲があったが、この曲も初夏の夕方の暑さが表現されたメロディと歌詞が見事。やっぱり夏の感傷を描かせたらこの人に勝てる人いないと思う。

ただ明確に「歌い上げる」系の曲なので直線的なユーミンの歌唱だとあからさまに苦しい感じが聴いてて少々辛い(笑)。いや、それもむせるような夏を表現しているということにすれば偶然の産物とはいえこれはこれで正しいのかも。