to LOVE / 西野カナ

前作で当たった着うた泣き歌路線一直線という感じでシングルは全体的に着うた仕様となっている。GIORGIO 13さんの楽曲をメインにシンプルなオケに綺麗なメロディに分かりやすい歌詞という徹底的に当時のヒットを狙い、シングルはどれも着うた中心に大ヒット…

LOVE one. / 西野カナ

非シンガーソングライターかつブレイク前の1stアルバムにありがちなとっ散らかったアルバムで、着うた仕様な泣き歌以外にもソニーらしいバンドサウンド風ポップスやPerfumeの影響下と思われる打ち込みテイストな楽曲が雑多に入り混じっている。ソニーの売れ…

BADモード / 宇多田ヒカル

前作のときに「これ以上深化したらそろそろついていけないかも……」って思ったら本当にその通りのアルバムが来てしまった。前作にも増してシンプルな打ち込み中心のオケで構成されており、淡々としている。盛り上がる曲はSkrillexと組んだ「Face My Fears」く…

初恋 / 宇多田ヒカル

ひたすらシンプルを追求した前作が再デビューアルバムだとしたら今作は2度目の2枚目のアルバムという言葉がぴったりなアルバムで、歌詞もメロディーもアレンジも前作より洗練されたように思える。前作はシンプルな中に魅力を見つけていったという雰囲気では…

Fantôme / 宇多田ヒカル

活動休止からの再開を経て8年ぶり(Utada名義含めても7年ぶり)となったアルバムで、これまでの打ち込み一辺倒の作風から一転して全曲で生音が使用されている。生音を使用しているといっても盛り盛りのアレンジのものは皆無で、先行で出た曲以外は音数が2-3程…

This Is The One / Utada

全米2ndアルバム。全体的にシンプルなオケにピアノ主体の綺麗なメロディが多くを占めており、やたらと分かりにくい印象のあった全米1stに比べると異様な程に聴きやすくなっている。さすがに直近で日本で出たアルバムよりはややクールというか全体的にリズム…

HEART STATION / 宇多田ヒカル

前作に引き続き本人が全面的に担当したシンプルな打ち込みが大半を占めるアルバムではあるが、重たい空気に支配されていた前作に対して驚くほどに軽やかな雰囲気になっており、1曲目のタイトル「Fight The Blues」に顕著に現れている。前作以降、離婚を経て…

ULTRA BLUE / 宇多田ヒカル

全米デビューアルバムを挟んだこともあり日本語としてはなんと4年ぶりのアルバムで、この間に本人単独アレンジに移行した(最も古いシングルの「COLORS」のみ河野圭さんとの共同アレンジ)。殆どが本人の軽い打ち込みと僅かなキーボードのみで構成されており、…

Exodus / Utada

宇多田ヒカルさんの全米デビューアルバム。宇多田ヒカル名義とは全く異なる作風で、全体的にミニマルなオケに所々オリエンタル要素がありキャッチーな部分もあるにはあるが日本語の曲にあったポップ要素はリード曲の「Easy Breezy」にあるくらいで他の曲には…

DEEP RIVER / 宇多田ヒカル

本人が本格的にアレンジに関わるようになった初めてのアルバムで、デビュー当初から関わっている河野圭さんの共同アレンジで全曲の編曲を担当している。その結果、デビュー当初R&B主体だった音楽性は一気にシンプルなポップス主体に変化した。一応R&Bっぽい…

Distance / 宇多田ヒカル

前作のR&B風味な音楽性はそのままに歌詞もアレンジもパワーアップするというシンガーソングライターの2ndアルバムらしい2ndアルバムで、既発のシングル曲が多いこともあるが前作に比べると最後までしっかり聞き通せるアルバムになっている。アレンジに関して…

First Love / 宇多田ヒカル

衝撃のデビューアルバム。デビューするや否やあっという間に話題になってしまい、後に藤圭子さんの娘という情報も伝わると上の層にまであっという間に伝搬した。そんな最中で出たアルバムということもあり、約750万というシングルアルバムアナログCD問わず日…

深海の街 / 松任谷由実

2020年のコロナ禍を踏まえて制作されたアルバムで、100年前のスペインかぜを取り扱った「1920」や、ノートルダム大聖堂の火災を取り扱った「ノートルダム」、別離を描いた「離れる日が来るなんて」、それでも人は会いたい想いを全面に出す「雪の道しるべ」「…

宇宙図書館 / 松任谷由実

タイトルは「これまでの記憶が全て図書館のようにしまわれておりそれが今の自分に繋がっている」という想いを表したもののようで、過去から度々出てくるスピリチュアルな側面が出たアルバムとなっている。確かに、もう会えない人を歌った表題曲や会いたい想…

POP CLASSICO / 松任谷由実

「Babies are popstars」「雨に願いを」「シャンソン」等の要所要所の楽曲がストリングスを活用したクラシカルな楽曲になっているために劇伴・舞台音楽集のような印象を受ける。またここ最近は落ち着きを感じるアルバムが多かったが「Babies are popstars」…

Road Show / 松任谷由実

タイトルの通りここ最近のシンプルな作風に比べるとやや情景描写多めの絵画的な歌詞が多いアルバムで、80年代後半以降は抽象的な歌詞が主体となっていたこともありこういう感覚は「ALARM à la mode」以来かもしれない。ただ80年代に戻っただけではなく「バト…

そしてもう一度夢見るだろう / 松任谷由実

ここ数作あったような季節感は特にない、後の大ヒットベストアルバム「日本の恋と、ユーミンと。」への収録曲がない、ファンの間でも共通と思われる名曲はない(「人魚姫の夢」は紛れもなく名曲だと思うけど)、収録曲数は従来のデフォルトの10曲……といった感…

A GIRL IN SUMMER / 松任谷由実

前作に引き続き夏を感じられるアルバムで、夏や海をテーマにした楽曲が半分近くを占めている。ただ前作よりもメロが格段に印象に残り、良い意味での落ち着きと貫禄が出ている。80年代あたりは楽曲そのものは凄かったとはいえ背伸びしたものが多かったし、00…

VIVA! 6×7 / 松任谷由実

前作の冬を感じるアルバムと対照的に今度は全体的に夏を感じるアルバム。とはいえギラギラとした暑い夏というよりは爽やかな夏といった趣で、このあたりは夏の感傷をテーマにした名曲が数多くあるユーミンだからこそだろうか。そういうこともあり、前作に引…

Wings of Winter, Shades of Summer / 松任谷由実

リゾート路線の代表格である「SURF & SNOW」のVol.2という触れ込みで制作された作品。ただし内容としては全くの別物で、冬の景色をしっとりと表現したアルバムとなっている(夏の曲もないこともないが全体的には冬の印象が強い)。むしろ全体的にしっとりとし…

acacia [アケイシャ] / 松任谷由実

1982年の「PEARL PIERCE」以来19年ぶりとなる夏発売、これまでほとんどのアルバムが10曲(一部9曲・11曲)だったのが突然14曲になる等トピックの多いアルバムではあるが、内容としては前作「Frozen Roses」の延長線上で多彩なアレンジが楽しめる。前作は普通の…

Frozen Roses / 松任谷由実

ベストを挟んで2年ぶりになったオリジナルアルバム。これまで基本年1(かそれ以上)のペースでアルバムをリリースし続けていったが、ここからはスローペースになっていく。 同年に実施されたサーカス団(?)とコラボしたド派手なコンサート「YUMING SPECTACLE S…

スユアの波 / 松任谷由実

やや迷走気味に感じられた前作が嘘のように全曲安心安定ユーミン節のミディアム系で占められたアルバム。やや地味に感じられる側面はあるんだけど、ここまでの統一感および安心感はここ数作ほぼなく、それこそ「PEARL PIERCE」くらいまで遡るんじゃないだろ…

Cowgirl Dreamin' / 松任谷由実

LAのミュージシャンによる生のバンドサウンドやストリングスを多用したアルバムで、既にシングルで出ていた「まちぶせ」(言わずと知れた石川ひとみさんのヒット曲のセルフカバー)も生のドラムに差し替えになっている。ここ数作は生音に戻ってきていたとはい…

KATHMANDU / 松任谷由実

これまでも度々出てきたワールドミュージック色が全面に出たアルバム。ネパールの首都を意味するタイトル曲やアンデス風味の「Take me home」、インドっぽさが漂う「命の花」、ヨーロピアンな香り漂う「輪舞曲」、和風全開な「Weaver of Love」等が特にその…

THE DANCING SUN / 松任谷由実

「Hello, my friend」「春よ、来い」のミリオンヒットシングルを収録したユーミン史上最大のセールスを記録したアルバム。ここ数作はセールス的にも内容的にも少々落ち着き気味であったところ(それでもずっと100万は売ってるから凄い)、「天国のドア」以来久…

U-miz / 松任谷由実

ミリオンを記録した大ヒットシングル「真夏の夜の夢」を収録したアルバム。シングルで出ていてかつ現在でもユーミンを代表する1曲ということもあって「真夏の夜の夢」の印象が強すぎる感はあるが、それを除けば前作「TEARS AND REASONS」に引き続き、気持ち…

TEARS AND REASONS / 松任谷由実

「天国のドア」以降どんどん脱バブルしていって全体的な雰囲気はバブル以前に戻った。デビュー以来どんどん時代の先を突き進んでいったユーミンが進化を止めたとも取れるが、デビューから20年経過し、もう相当数の名曲佳曲を残した状態なのでこれが自然な流…

DAWN PURPLE / 松任谷由実

前作「天国のドア」に引き続き脱バブル進行中といったイメージのアルバムで、それでも前作はSynclavierの多用は相変わらずだったが、今作に関しては明確に生音も増えてきている。また、打ち込みの曲に関しても「Happy Birthday to You」や「千一夜物語」のよ…

天国のドア / 松任谷由実

約200万枚という当時の日本のアルバム史上最高売上を更新する大ヒットとなり、1990年にして来るCDバブルの幕開けとなった1作。あまりに凄まじいことになった売上や当時の無敵感からかどうにも「Delight Slight Light KISS」あたりから音楽が二の次になった印…