Delight Slight Light KISS / 松任谷由実

前作に引き続きSynclavierを多用したアルバム。そんなわけでサウンドの質感は全く変わらないんだけど、メロや歌詞がそれまでと結構雰囲気が異なり、メロは以前のようなドキャッチーさやポップさはあまり見えずオケに埋もれている印象で、歌詞も比較的シンプルなものになった。

ある意味表層の時代であったバブルを象徴するものなのかもしれないけど、バブルを全く経験していないこともあり明確な印象が全く掴めず、早々に聴くことをやめてしまったアルバムの1つ。このあたりは世代的なものもあるのでリアルタイムで聴いていたらもっと違う印象になるのかも。実際にここから一気に売上が倍増し初のミリオンを達成したようで、ミリオンクラスまでいくと音楽だけでなくて本人の当時の活動や世相も見ていかないと分からない面は多々あり、音楽だけ聴いても魅力が伝わらないのはそういうことかも。

おすすめ曲

リフレインが叫んでる

今作のリード曲。相当上位に入る有名曲なので今更感凄いけど、マイナー調のスピード感のある雰囲気は「埠頭を渡る風」あたりを彷彿とするもので、歌詞、メロ、アレンジどこを取っても最高。

September Blue Moon

リード曲以外に明確な印象を残せずにいるんだけど、強いて挙げるならこれ。アップテンポな曲で終わるのは「COBALT HOUR」収録の「アフリカに行きたい」を思わせるが、あっちもこっちも民族色強い感じでド派手なオケヒやブラスも相まってインパクト大。