Thank you, Love / 西野カナ

前作までで決定付けた着うた泣き歌女王のイメージから外れない程度に色々とやってみました、的な感じでシングルは安定のバラードもしくは泣き歌メイン、アルバム曲は本人の趣向と思われるロックテイストな曲や洋楽テイストな曲などバランスが取れているといった格好。なので前作が好きな人はそのまま今作も好きになれると思う。一度ドカンと売れた人がその貯金で作ったアルバムとしては十分すぎる内容で、個人的にも「if」「Esperanza」あたりのシングル曲は当時から好印象だったし、今でも西野カナさんの全曲でも結構上位に来る名曲だと思う。

ただこのあたりから着うたブームが落ち着きスマホに移行していったこともあり、以前のような着うた無双といった印象は徐々に薄くなってしまい、楽曲単位でも前述の通り好きな曲はあるけど過去のインパクトを上回ることはなくなってきた。そういうこともあり、アルバム全体としての印象も「to LOVE」程ではないかな……というイメージにはどうしてもなってしまう。好きな曲をかいつまんで聴くくらいがベストな聴き方だと思う。

おすすめ曲

Esperanza

スペイン語分からなくても字面だけでも分かるレベルのスペイン語の曲名であることからも分かる通りスパニッシュテイストが全面に出ており、西野カナさんとしてはイメージを崩さない範囲で新機軸な楽曲であることもありアルバムの中では一番印象的かつ好きな楽曲。サビ頭に「真夏の恋が凍えてる」と出てくるのも前作の「会いたい」イメージから外れない程度にインパクトのあるフレーズで、盤石の楽曲、といった感じ。

後の「トリセツ」を手掛けることになるDJ Massさんはおそらくこの曲が初参加で、結構幅広くかつ凡庸すぎない範囲で色々と提供している印象。

if

こちらも既発のシングル曲ではあるが、着うた仕様の楽曲でこれまで多用されていたGIORGIO 13さんはこのあたりから急速に出番が少なくなってしまう。着うた路線からは徐々に外れていったこともあり妥当にも思えるが、その着うた路線の集大成かのような綺麗なメロディとシンプルなオケがメインの楽曲となっている。Bメロが最初サビなのかと思ったらその後に超高音のサビが出てくるのがインパクト大。ラスト転調してキー1個上がるし。これ歌えるの上手すぎる……。